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「足湯」と災害情報

そういえばうちの会社のある社員が「今回の地震のボランティア情報に『足湯』って単語があるんですが、なぜ足湯なんですか?」と訊かれた。災害ボランティアを長らくやっている人には「なんだその質問?」と思うかもしれないが、一般の人にはただのサービスのひとつにしか見えず、「なぜ足湯か」なんて疑問もわかないかもしれない。そういう意味ではこの質問はなかなかするどい質問_ということにはなる。

「足湯」- 結論から先に言うと被災者からニーズ情報を主とした主訴を聞き出すためのツール。副次的な目的としてはエコノミークラス症候群の検知のために足のむくみを確認する。あるいは避難生活で疲労している被災者をリラックスさせることそのもの。

意外とわからないものだが、困った人ほど困っている状況を把握できていない。被災地で言えば困ったことが多すぎて把握はしているもののどこから話したらいいかわからない、整理されていない。避難所にアンケート用紙を挟んだクリップボードをもっていって「困ったことを書いてください」「困っていることを聞かせてください」などといったところで誰も書かないし、話しもしてくれないことが多い。こういう時に困ったことをきちんと言えたり書いたりできるのは実は相当神経の図太い人だと思う。
通常よく温泉場にある足湯は大きなスペースに大量の湯をいれて勝手に入ってもらって勝手に出てもらう形式。

避難所の足湯は聞き出しツールとしてそれではいけない。わざと1人で足をつける大きさのたらいに湯をいれ、マッサージ役のボランティアが1人ついて足マッサージとセットにする。これで足湯となった瞬間に自動的に「1対1」の構図を作り出せる。マッサージ役のボランティアが体調面から自然に話しかけることで体調不良のような具体的なニーズから入り、その後生活面のニーズへと話を進めることができる。同じ構図は足湯でなくても普通のマッサージや整体などでもいけるが、これをやるにはある程度熟練したテクニックが必要になってしまう。足湯マッサージはそれよりも敷居が低く、大量素人であるボランティアには非常に向いている。同じことは水害被災地でタオルを配ってあるくとかいろいろある。

災害が起こったら活動を始める前に情報を集めることが必要なのは随分認知されてきた。しかし被災地・者から聞き出す方法はまだ発展途上だったり、結構ぶしつけに「いかがすかー」的にたずねてしまっていることが多い。長期戦の支援なればなるほど、困っていること以外にその地域の昔話や文化、方言、宗教や勢力バランスなど理解しなくては救援プロジェクトが頓挫する確立が高くなってしまう。そういう意味では足湯は強力なセンサーの一形態となる。

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